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2017年3月 2日 (木)

エゴン・シーレ 死と乙女

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渋谷ル・シネマで「エゴン・シーレ 死と乙女 」を観てきました。

一番後ろの席の端っこから2番目の席で始まるのを待っていると、お隣の小柄なおばちゃまがいろいろ話しかけてきて、それが結構盛り上がったりして、映画が終わってからも感想を言い合ったりして、おばさんになってよかったと思う今日この頃です。

クリムトに紹介されたモデル・ヴァリとの出会いによって、シーレは飛躍的にその名声を確かなものにしていくが・・・

ゴッホとは違い、生前に自分の成功を見ることができた画家、エゴン・シーレ。幼少時に父が亡くなっても美術アカデミーへ入学でき、豊かな後見人である叔父をもち、美貌に恵まれ、もちろん才能にあふれ、好き勝手やって死んだ彼の破天荒な人生の映画化です。脚色なしでも十分ドラマチックな人生ですが、一言いいたい。

エゴン・シーレ、ホントお前、クソ野郎だな。

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なにしろこいつ(コイツ呼ばわりcoldsweats01)、長い間生活の面倒を見てもらってるヴァリではなく中産階級のお嬢さんと結婚するのに「君との関係も続けたい」って平気で言うヤツですからね。ヴァリが私でなくてよかったわね、もし私だったら半殺しですよ?

それはさておき、エゴン・シーレの代表作「死と乙女」をよく見てみる。

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乙女はこの男(だと思う)をしっかりと抱きしめているのか、それともしがみついているのか。その腕はものすごく細く、しかし弾力をもって力強い。手に比べて足のたくましさは、彼女の生活力と精神的安定を意味するのだろうか。

この細い手でしがみついている男は今から彼女を捨てようとしているが、細い手を振りほどくのは簡単だ。男は女を見ているようで見ていない。ほかのことを考えている、そう、次の女性との美しい生活を。その未来は乙女の絶望と死を意味するのだ。男は、乙女を捕らえる死神なのだ。

エゴン・シーレは人でなしだが、自分のことをよく知っていたということですね。

そしてエゴン・シーレの死神ぶりはますます猛威を発揮し、彼と別れて従軍看護婦として働いていたヴァリは病を得て死に、間をおかず当時大流行していたスペイン風邪で妻も、おなかの中の子供も、そしてエゴン・シーレ自身も死ぬ。みんなもぎ取られるように死んでしまうのだ。

好きなように生きたエゴン・シーレの人生は刈り取られるように終わったけれど、絵は生き残りました。映画の中で大成功を収めたベルベデーレ宮殿にこの作品は飾られています。ほかの多くの作品は、ドイツ軍により接収され「退廃美術展」というぴったりの美術展に出展後、レオポルトという富豪により収集され、今はレオポルト美術館で見ることができます。

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