« クラーナハ展 500年後の誘惑 | トップページ | 湯たんぽ命だ »

2017年1月15日 (日)

阿古屋

Img_0264

東劇でシネマ歌舞伎「阿古屋」を観てきました。歌舞伎座では観られなかったので超嬉しいし、今年の映画始めの一本としてこれほどふさわしい映画はないですよね〜。

大学時代にゼミで近松門左衛門の文楽「出世景清」の研究発表をしたことがあるので、後に歌舞伎化されその中でもハイライトシーンでもある「阿古屋琴責め」が切り取られた「阿古屋」は一度観てみたかったのです。

平家の武将景清の行方を追う源氏方の武将重忠は、阿古屋に対し恋人景清の行方を問いただすが知らぬの一点張り。音曲を演奏させ乱れがあれば行方を知っているものとするという重忠の前で阿古屋は見事な演奏をし、疑いを晴らすのであった。

正直ライブを映画で観るなんてと思っていましたが、アップがあるのはいいですね〜。美しい飾りや衣装を存分に堪能出来ました。そして短いですが舞台裏のドキュメンタリー付きで、これがまた感動的。

歌舞伎座でチケットを買う時は「んー…いつもながら高価いなあ…」と財布を開くのですが、その時は私の観ている2時間ほどの歌舞伎の舞台が出来上がるまでの、役者さんが幼少時からお稽古事をギッチリやって歌舞伎の身体に自分を作り変えて行く過程や、ものすごい技術を持った人たちが管理するお道具、裏でセットを組み立てる人、美しい建物を維持する仕事、歌舞伎を途絶えさせぬよう運営をしていくひと、舞台を目指す若い人たちなどの、歌舞伎を構成するすべての人たちの事を考えると文句は言えないのです。

阿古屋は琴、三味線、胡弓の演奏が山場ですが、貴重な楽器のメンテナンスをし、調子を整え舞台裏でスタンバっているお師匠さん達も映っていて、あらゆるライブというものは沢山の人の想いがこもった結晶なのだと改めて感じました。

恐ろしいほどの緊張感の中で演奏される音曲は本当に素晴らしく、阿古屋のソロだけかと思っていた演奏は三味線4本とのコラボでダイナミックだったりしっとり聴かせたり、ものすごい聞きごたえ。その上豪華な衣装をまとった玉三郎さんの美しいことと言ったら❗️うっとり聴いているうち、絶対寝てないのですが「あれ❓今これは夢なのかな…❓」と変な意識になってしまいました。これってトランス状態ってヤツだろうか。一緒に行った友人も同じ体験をしていたそうですが、きっとこれが「世界に引き込まれた」ということなのでしょうね。

ものすごい緊張感ではありますが、人形振り(大きな人形を操っているようにふたりの黒子が後ろに付く。原作が文楽だからか❓)の岩永左衛門はコミカルで演奏中におかしな振り付けをしたり、ちょっとしか出てこないけどおかしな顔の役者さんがドーッと出てきたり、緩急ついたとても素敵な舞台です。台詞も全然むずかしくなく、あらすじを知っていれば十分楽しめるお芝居なので、ぜひぜひ観ていただきたい❗️

« クラーナハ展 500年後の誘惑 | トップページ | 湯たんぽ命だ »

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/210588/64767047

この記事へのトラックバック一覧です: 阿古屋:

« クラーナハ展 500年後の誘惑 | トップページ | 湯たんぽ命だ »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31