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2016年11月23日 (水)

聖の青春

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新潟に行く予定で早起きして練馬まで行ったのはいいのですが、やはり雪の予報となり、まだスタッドレスに履き替えていないのでドタキャン。じゃあ近くにTジョイがあるから朝イチの映画でも観ようかということになり、急遽観てきました。

まだ時間があるので朝ごはんでも食べようかとロイホに行くと、営業時間11時からcoldsweats01ちょっと走るとジョナサンがあったのでよかったのですが、そうか、最近いろんな業種でどんどん営業時間が短くなってきてるのねと実感しました。

いい時間になってきたのでTジョイ行くと、ロビーはものすごい人の列。どうやらファンタスティックビーストの公開日だったようですね。ジョナサンでネット予約しといてよかった〜と思いつつ自動発券機を探すとそこも長蛇の列coldsweats023台しかない発券機のうち1台故障中なのでした。はっきり言って他のシアターの自動発券機で並んだことないので、東映の姿勢を疑います。やる気あんのかsign02

とまあギリギリ間に合って無事観られたこの映画。予想以上に感動しました。村山聖九段(死後)は本当に愛されていた。棋士の名前を羽生善治先生しか知らなくても、この人の顔は知ってるという、病気(ネフローゼ)のせいとはいえまだ幼いようなぷっくりした頰。丸まった背中。そうか、同年代だった私も彼が好きだったんだと改めて思い出し、ほぼ20年ぶりに胸が詰まりました。

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将棋というのは恐ろしく残酷なもので、負けず嫌いでやってる棋士なのに自分から「負けました」と負けを認めなければいけません。静かにぴしりぴしりと打ってるイメージですが、終盤は身をよじり身体は上気し多量の汗を掻く。渡辺明竜王によれば何にもしなくても痩せるらしいです。

渡辺明竜王の話が出たのでついでで書きますが、昨今の不正疑惑には本当に頭にきています。三浦九段がパソコンを使用し不正をしたということの真偽はさておき、なぜ竜王たる渡辺明先生が矢面に立たなければならなかったのか。彼は競技者であって、このような騒ぎに巻き込まれてブログで気持ちを書き綴ったりするところからは遠くにいなければなりません。竜王戦に影響が出たらどうするのでしょう…そんなメンタルの弱い人ではないでしょうが…。三浦九段だってものすごい努力の人として有名だったのに、確たる証拠もなくこのような状態に置かれていい訳がない。将棋界の宝を自らハンマーで打ち砕くようなマネはしないでいただきたい。こういう時会員によって運営されている将棋連盟は弱い。渡辺竜王がんばれsign03

この映画を見てわかる通り、まず棋士になるには膨大な勉強量が必要です。三段リーグを勝ち残りプロになり、ここからがまた戦いの日々です。サッカー選手や野球選手のように試合のない日は研究と勉強。それは体力と気力のいる作業で、ネフローゼの患者は安静が重要なのに対局でも体力を使ってさぞや辛かったことでしょう。

疲れる、負ける、自分を追い込む、病状が悪くなるのスパイラルの中でも彼は「生きて」いましたが、羽生善治氏との熱戦とその後の語らいによって彼は「将棋を指す為に能動的に生きる」事を初めて意識しました。この人と同じ、深い深い海の底まで行って同じ景色を見てみたい…

「聖の青春」という題名通り、本当に青春映画でした。少女マンガが好きで、「いたキス」や「マージナル」を読んでいた聖。好きな人に告白どころか目も合わせられない聖。結婚もしたかった。でも手術を受けて機能を失い「もうエロビデオもいらない」と強がった聖。どこにでもいるフツーの男の子だった。皆彼を愛していた。

先崎九段(彼も「荒崎」という役のモデルになっています)によると、彼の訃報の後は、将棋会館のあちこちで誰かが泣いていたそうです。

こういう実際の人物が登場する映画では役者も大変で、下手にやるとモノマネ大会みたいになってしまってドラマが薄くなってしまいます。始めのうちこそ「うわー、羽生さんの首コキコキするとことか指とか似てるー」とか「そうそう、村山九段あんな座り方だったよね」とか思いつつ観ていましたが、徐々に映画に吸い込まれてそんな些細なことは頭から消え、ひとりの人生を目の前で見せつけられているような不思議な気分になりました。松山ケンイチも東出昌大もやるなあ〜。この映画は派手な殺陣も壮大なCGもないけれど、必ずや彼らの代表作のひとつに数えられるようになるでしょう。

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