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2012年12月 3日 (月)

巨匠たちの英国水彩画展

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Tちゃんのおごりで渋谷のザ・ミュージアムで開催中の「巨匠たちの英国水彩画展」に行ってきました。いやあ、おもしろかった!

今まで風景画・水彩画というのは、印象派以前は絵画として地位の低いもの、価値のないものとされていたと思っていましたが、イギリスでは独自の発展を遂げたらしく、むしろ「水彩風景画はイギリスのもの」とする矜持もうまれたらしいのです。知らなかった~!

イギリスの風景を写し取ったものもずいぶんありますが、興味深かったのは「グランド・ツアー」の影響です。これは裕福な若い人の行く一種の「修学旅行」だったのですが、フランスでオシャレやマナーを学び、イタリアで遺跡を見学し、スイスで自然を満喫する・・・的なとてもうらやましい風習でした。男子だけではなく、女子も行く人がすくなくなかったようで、男子の場合は家庭教師がお目付け役として同行し、女子の場合はシャペロンという既婚の年配の女性(叔母さんが多かったそう)が同行したようです。この辺はむかーし読んだ少女小説に詳しかったように思います。

まだ18世紀は写真はないので、当然行った思い出のよすがに絵が欲しいのは現代の人と同じでしょう。画家たちはそのニーズにこたえ、自身が現地に赴いたり、資料を見て想像したりして水彩でその風景を描いたため、富裕層を中心に大人気となったようです。もしかしたら「湖のここんとこに自分を入れといて」とかいう注文もあったかも・・・と思うと楽しいですね。

その味わいはまるで水墨画のようで、私の想像するヨーロッパの乾燥した風土とは違い、ふんわりとした湿気をまとった優しいものでした。かといって水墨画のようにイメージとして対象をとらえて詳細はこちらの想像に任せられるというものではなく、驚くほど精密な表現のものが多いのです。誰?外人が不器用だって言った人?ってほどの細かーい筆使い。小さい絵なのに煉瓦一つ一つを淡い色調で描いていたりして、すごいです。

それにしても私たちは小学校のころから水彩を授業で描かされているにも関わらず、よく考えてみれば水彩画を鑑賞するチャンスというのはないいに等しかったように思います。もしも小学生の時にこういう美術展があれば、水彩における色々な手法とか、色使いとか、表現方法とかを体得することが小学生なりにあったのではないでしょうかね?あまりにも私たちは水彩画について知らな過ぎるなあ・・・

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