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2011年5月23日 (月)

ブラック・スワン ☆☆☆☆

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TOHOシネマズ府中に「ブラック・スワン」を観に行きました。上映前の予告編や「紙兎ロペ」が復活したのでちょっとほっとしました。だいぶ落ち着いてきたんだなあ・・・

ナタリー・ポートマンは大作・小品に数多く出演している実力の人であるにもかかわらず「レオンの人」と言われ続けて早幾年。今回もその実力を余すところなく発揮して鬼気迫る演技を見せてくれました。

NCBに所属する中堅バレリーナ・ニナ(ナタリー・ポートマン)は大抜擢によりプリマに昇格、新演出による「白鳥の湖」の主役を踊ることになる。清純でおとなしい彼女は白鳥は問題なく踊れるが、官能的な黒鳥を踊るには・・・・

昔インコとか小鳥飼ってたので知ってますが、羽って、生えてくるときは薄い膜に覆われたトゲのようなものでにゅっと出てきて、そののち膜がフケみたいに剥がれて羽毛がほどけたようになるんだけど、いきなり肌から羽毛が出ると痛そうですね。トゲみたいなのをちょっと押したらインコが「キャッ!」って言いました。ごめんね。

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効果音が邪魔なのです。ピケ・ターンのたびに起きる風切り音や、背中を掻くときの変な音など滑稽で、もちょっとスマートにできないかなと思いましたが、アロノフスキー監督にとってはバレエも格闘技の一部として認識しているのかもしれません。「レスラー」の監督さんですもんね。

効果音だけではなく、演出過剰かもしれません。冒頭からいきなりニナの異常性をはっきりと押し出してきて、匂わせるということはしない。ああ、これは最後はこうなるんだな、とはっきり意識しながら観ていくことになり、まさにその通りの結末でした。また、道具立てとして過干渉でニナを自己投影の道具としている母親、自分の持っていない官能の見本のようなライバルはあまりにも単純すぎます。

「痛み」を見せてキャーキャー言わせるのも安いホラーみたいで嫌いです。

あとあの黒鳥はないんじゃないの・・・?マンガだよ・・・もっと印象的にできなかったの?

しかしこのマイナス面をもってしても、ナタリーの計算された演技はすごい。自己抑制が強く、ただママのいうとおりに生きてきたニナの恐ろしいほどの孤独、自分の限界を見せられた時の混乱、怒り、いろいろな感情を私たちにぶつけてきます。クライマックスシーン、ふと気づくと驚いたことに動悸が!どれだけナタリーの演技に飲まれていたのかと唖然としました。

映画を観終わって、ムンクを思い出していました。ムンクは早くから成功し名誉を得ましたが、精神的に不安定で、危機感を抱いた彼は自分から入院し精神は安定しましたがそれ以後は名作を生み出すことはなかったそうです。ニナは精神的に壊れることにより抑圧された自分を殺して解放し、芸術の高みまで昇ることが出来ました。手に入れた成功はほんの一瞬でも、彼女の顔をみれば問題ではない。恍惚として幸せに満ちた表情は、芸術家として何が歓びなのかを体現するものでした。

ムカつく演出もありますが、1年間1日8時間レッスンを重ねたナタリーとミラ・クニス(「マックス・ペイン」の時はただのきれいなおねえちゃんだったのにこの成長ぶりは凄い。)のバレエも観て損はないです。期待したよりも上半身ばっかりでちょっと肩透かしくらっちゃったけど・・・それほどにプリマへの道は険しい。

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