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2010年8月 3日 (火)

カティンの森

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「戦場でワルツを」で衝撃を受け、トイレに行って落ち着いてすぐ上映の「カティンの森」。この映画が封切られてまもなく、追悼式典に訪れたポーランド首相の飛行機が墜落して首相夫妻や政府高官が多数亡くなるというショッキングな事故が起きてしまいました。

こちらの虐殺は第二次世界大戦中ポーランド将校や兵士らがソ連によりなんと4400人も銃殺され森の中に埋められていたという事件で、カティンというのは近郊の町の名前らしいんですがわかりやすい名前だからという理由でドイツがつけたそうです。当時ポーランドは西からドイツ、東からソ連が攻めてきて敗北、その後事件現場近くを侵攻したドイツによって噂の検証が行われ、その結果遺体を確認したと言うことらしいんですが、ドイツは「ソ連による犯行」、ソ連は「ドイツによる犯行」と双方の擦り付け合いのプロパガンダに利用されたようです。どこまでも死者を冒涜しています。

「カティンの森」や、「戦場でワルツを」をみてつくづく思うのは、まとめてゴミのように埋められたのは「ヒトという物体」ではなく、その人の人生だということ。ひとりひとりに家族や友人がいて、網の目のように人と人はつながれています。その中のひとりを殺すのはその周りの人々の人生と心に大きな穴を開けることなのです。「戦場・・」の戦友のひとりは「自分が死んだ時の母の嘆きを考えるとやるせなかった、私は母と仲がよくいつも一緒にいたから」と語るともなく自分を語り、「カティン」では行方不明になった将校の母と妻がともにつらい思いをしているシーンがあり、生き残った友人が自分を責めるシーンもあります。大事な誰かを失った時の悲しみを観ているだけに、その大事な人がいとも簡単に射殺され穴に放り込まれ土をかけられるラストシーンは本当にやるせない・・・

ワイダ監督のお父さんもまたこの事件の犠牲者で、お母さんはずーーっとお父さんを待ち続けていたそうです。しかし80も過ぎてこんなすごい映画を撮るその精神力たるや、感嘆に値しますね。半分くらいの私が暑くて外出たくナーイとか言ってるバヤイではないですね。反省します。

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