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2008年10月 8日 (水)

宮廷画家ゴヤは見た

1_2 久しぶりに大泉のTジョイで「宮廷画家ゴヤは見た」を観てきました。ここってポイント制度も廃止したし、今時インターネット予約もやってないアナクロなシネコンです。系列の新宿Tジョイではやってるみたいなんだけど、なんでここではやらないのかな?椅子も老朽化してきて座面が破れてたり、クッションがへたってたりしてるのもいただけない。

フランスで革命の嵐が起こり始めた頃、スペインではゴヤ(ステラン・スカルスガルド)が宮廷画家として名誉もカネも手に入れていた。豊かな商人の美しい娘・イネス(ナタリー・ポートマン)はゴヤのミューズなのだが、異端者狩りは野心的な修道士ロレンソ(ハビエル・バルデム)によって強化され、なんとイネスもその渦に巻き込まれてしまう・・・

原題は「ゴヤズ・ゴースト」。意外にもゴヤは現実に生きる人間の姿、ゴヤの亡霊というか欲望の影はロレンソです。伝記映画なんかじゃないんです。すごいんです。

2_2 見よ、このナタリーのはかない美しさ!マリア様のような慈悲さえ感じるではないですか。この美しさの前では、修道士だって太刀打ちできません。そして大変なことになるのです。

ゴヤは「我が子を食らうサトゥルヌス」(すげー怖い。でもルーベンスの同盟の絵のほうがもっと怖い。)や「裸のマハ」で有名な画家です。さぞや変わった人物であろうと思われるのですが、ここではきわめてフツーの、人道的な人間として描かれています。このゴヤは後年耳が聞こえなくなるのですが、目は残っている。冷静にスペインにおこるすべてを見ているのです。

3_2 一方、修道士ロレンソはやりたい放題、ただ欲望のおもむくまま行動します。時に恥知らずと思えるほどですが、しかし、これらの行動は実は世間体を気にするゴヤの、深層心理をそのまま体現するものだったりするのです。

自分の保身のため宗教を捨て、女も捨て、故郷も捨てた男の最後の救いは、正気を失いながらも純粋に彼を愛す女だったというのも、ロレンソにとってもゴヤにとっても皮肉なものです。

しかしさすが「アマデウス」の監督。最初から最後まで美術館で絵をみているような、すばらしい色彩でした。

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