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2008年5月16日 (金)

フィクサー

1 マイカル武蔵野ミューで「フィクサー」を観てきました。

『マイケル・クレイトン 罪を消したければ、彼に頼め。』というHPのコピーはミスリードだと思います・・・だから冒頭少し混乱しました。

「フィクサー」というのは、日本ではカゲの実力者みたいなカンジですがアメリカでは「悪徳弁護士」という意味もあるのだそうです。この映画の中では、必ずしも彼だけがフィクサーというわけではありません。

3 原題は「マイケル・クレイトン」。これじゃお客が入らないと踏んだのでしょう。確かに。

いかにも仕事バリバリできそうなジョージ・クルーニーがマイケル役だし、冒頭交通事故を起こしたクライアントに弁護士事務所の社長が「腕利きのもみ消し屋を送る」といっていることもあり、このセンで話が進むのね・・・と思っていたら大間違い。

いい大学を出ているわけでもなく、華々しい経歴もなく、長くこの事務所で働いてるのにパートナーでもないし         とティルダ扮する世界的な農薬会社法務部長カレンがいぶかしむとおり、事務所の汚い仕事を淡々と消化するマイケルは、はっきり言って飼い殺されています。ギャンブル中毒で借金もあり、あせるあまり副業にろくでなしの弟とレストランを出すも大失敗。ヤバいところから借金返済を迫られています。家庭も崩壊、ひとり息子は妻が再婚相手と養育しており、養育費も送らなければ。

だからこのコピーは意味がない。この映画はカッコイイオトコの武勇伝ではないのです。

カレンは大企業で重役になり、涼しい顔をして難しい仕事をこなし、素晴らしいスーツを着て、ジムで身体を鍛える鉄のキャリアウーマンに見える・・・いえ無理して見せていますが、実はスピーチやインタビューの答えを何回も鏡の前で練習したり、ブランドのスーツを脱ぐとワキの下にびっしょり汗をかいていたりする気弱な女性です。その大事なキャリアを失いそうになったとき、彼女は会社のため自分のため反社会的行動に出ます。反社会的ではあるけれど、なぜか共感できる・・・あやうい彼女に応援の声すらあげたくなるのはどうしてだろうか。この辺りがアカデミー賞助演女優賞をとった理由なのでしょうか。事実、ラスト近くのティルダの表情は素晴らしい。演技は大きくないのに、顔がかすかにひくひくとひきつっていたり、落ち着きのない目は演技じゃないように見えます。

このティルダの演技を見るだけでもお金払う価値があります。見るべし。

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